うたかた日記

ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし  鴨長明『方丈記』

本棚

読書のタイミング

「レ・ミゼラブル」が「ああ無情」で、「モンテクリスト伯」が「巌窟王」で。 どちらも読んだし号泣したしミュージカルも観たのに「主人公、どっちがどうだっけ、いっそ同一人物じゃない?」って未だに混乱している。 読み直せばいいんだけど、なんとなく母…

『三体』劉慈欣

「たいへん長らくお待たせしました。現代SFの歴史を大きく塗り変えた〜」で始まる訳者あとがきにビビり半分、苦笑半分で読み始めた『三体』。そのあとがきでは数多の大御所作家を引き合いに出していたけど、個人的には中国版Xファイル?→中国版エヴァンゲリ…

『インド倶楽部の謎』有栖川有栖

有栖川有栖の作家アリス国名シリーズ。 いつになく妙に広告めいた本だった。複数の過去の事件(作品名)に言及したり、アリスが実在の元町うみねこ堂書林を訪問したり。この店は実際、作者を『インド倶楽部の謎』トークショーに招いている。どうやら40年来の…

『君に届け』

別冊マーガレット掲載、椎名軽穂 著、2008年講談社漫画賞少女部門受賞作『君に届け』。29冊一気読みしたのですが泣き所がむちゃくちゃ多かった。 それと同時に、最近の女子ってこんなに繊細なのか、学校生活に神経つかってるのかとかなりビックリ。十代なん…

不在

そして、ある日、彼女は姿、形、気配までも、 すっかり消し去ってしまったのだ。 自然の摂理を頭で理解していても、これほどまでに 誰かの「不在」の空気の密度を濃く感じたことはない。 内田也哉子『衣のまにまに』 親を亡くした子供の心理をとてもよく表し…

2020年

昔、映画『ブレードランナー』にはまって『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を読んだ。そこからS.F.(サイエンスフィクション)にはまったのだけど、この作品の舞台設定がたしか2020年あたりだった。 そう考えると今はかつてのS.F.な未来なんだ、ビックリ…