うたかた日記

ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし  鴨長明『方丈記』

読書のタイミング

レ・ミゼラブル」が「ああ無情」で、「モンテクリスト伯」が「巌窟王」で。

どちらも読んだし号泣したしミュージカルも観たのに「主人公、どっちがどうだっけ、いっそ同一人物じゃない?」って未だに混乱している。

読み直せばいいんだけど、なんとなく母校の図書館の窓に近いあの席でしか読みたくない。窓下の本棚に並んでいた古い文庫本の列。いや、読み直せないのはあの場所で読んだ時と同じ感動は二度と戻ってこないということを確認したくないせいもしれない。本には読むべき時期というものがあるのだ。